導入事例インタビュー
グリー株式会社が選んだ“リモートワークの最適解”- Splashtop導入の背景と効果とは
グリー株式会社
2004年の創業以来、新しい可能性を追求し、常に変化と成長を続けるグリー株式会社。「インターネットを通じて、世界をより良くする。」をミッションとして掲げ、ゲーム・アニメ事業やメタバース事業、コマース・DX事業という三つの柱を中心に幅広い分野で事業を行っています。
この度、従業員により良いリモートワーク環境を提供するため、リモートデスクトップの導入を検討し、その中でSplashtopを選択しました。
今回は、同社がSplashtopを採用した経緯やリモートワークの導入によるメリットをお伺いしました。まずは、開発本部 情報システム部ITサービスオペレーショングループ橋口 拓哉 氏のインタビューです。
グリー株式会社 開発本部 情報システム部 ITサービスオペレーショングループ 橋口 拓哉 氏
目次
橋口 拓哉 氏
- 業務内容について
- Splashtopの導入経緯
- 導入前の懸念事項
- 導入のしやすさ
- 導入時に苦労した点
- 他社製品やVPNとの併用
- 現在の運用状況
- 導入後の現場の反応
- 管理者側の使用感
- 貴社の今後の働き方について
Technical Art チーム:岩本 高志 氏 梅田 匠 氏 小野 貴裕 氏
導入のきっかけは、現場からのリクエストスプラッシュトップ担当営業の対応も決め手に。
ご担当業務について教えてください。
私自身の担当業務としては、社内システムエンジニアとして社内で使うツールやアカウントの管理等を行っております。私は全ての事業部においてのツールやアカウントの導入及び管理業務に携わっており、現在、弊社で導入している様々なツールのアカウント数は四桁を超えると思います。
どのような経緯でSplashtopを導入しましたか。
Splashtopを導入した経緯は、現場からSplashtopを使いたいという要望がありまして、導入を検討することになりました。Splashtop以外のサービスも検討したのですが、機能としては他社製品とそこまで差異はなかったのですが、営業担当者のレスポンスの速さであったり、管理のしやすさだったりという点が特に良かったところです。
あとは、SAML認証を採用しているので、うまく連携して利用できるといったところが決め手になりました。
弊社の社風としても、現場からリクエストあったサービスはすぐにトライアルをして、導入できる・できないというのは、特にコスト面や運用コスト等、いろいろあると思うのですが、すぐに導入できるものや、現場が必要とするものであれば、どんどん取り入れていくスタンスです。
導入前に懸念していたことはありましたか。
リモート先にアクセスした時に、リモート先のPCは社内にあるので、そのPCがロック状態にあるか?というところは、セキュリティ部が結構懸念していたところでした。
もし、リモート先でPCの電源がついていて、全然関係ない人がそういった情報にアクセスできたり、表示されたりすることに対して懸念があったのですが、画面ロックがしっかりとかけられてうまく制御できるので、セキュリティ面の懸念がクリアになったというところはあります。
導入のしやすさについて教えてください。
導入のハードルの低さについては、やっぱりクラウドサービスというところで、サービスに申し込んで、リモート先とリモート元の端末があれば、すぐに検証できたという点がありますね。
他社製品もいくつか検討させてもらったのですが、スプラッシュトップはレスポンスの対応の早さやサービスが良かったです。他社製品には、社内に環境を作らないと利用できないというツールもあるのですが、システム運用者側からいうと、それだとどうしても運用し続けるという意味で、アカウントやデバイス管理以外のところで、環境をつくるという一つの高いハードルがあったのですが、Splashtopに関してはそういったところがなかったので、そこに関してもハードルの低さを感じました。
導入時に苦労した点などはありましたか。
導入時にポリシーとして設定できる項目が多くて、このポリシーがどのような反映をするのか等が、ポリシーの表示項目だけだとちょっと分かりづらいところもあったのですが、スプラッシュトップの担当営業さんのレスポンスがすごく早くて、わかりやすく、欲しい回答をすぐに頂けたので、とても導入しやすかったと思います。
VPNとの併用で、用途に応じた使用方法を。導入後の管理もシンプルで、楽に運用できています。
他社製品やVPNと併用していますか。
VPNも利用はしていますね。(他社製品の)リモートデスクトップだけだと現場でペンタブレットを使いたい時などに、レスポンスが悪すぎてうまく利用できないというところがあったのですが、Splashtopだと、そこが、現場で利用可能な範囲というところで導入に至りました。
現在の運用状況を教えてください。
現在は多分20 IDほど購入しています。以前は10 IDを購入してそのまま使っていたのですが、そこを超過してきたので、追加で購入して、現在は20 IDという状況です。主にアーティストの方々が使っていますね。
導入後の現場の反応はいかがですか。
現場からはあまり声が届いていないのですが、こういったことをやりたいというところに関しては、上手くできているのではないかなと思います。現場からは不満はよく届くんですけど、うまくいってる時ってなかなかうまくいきましたっていうリアクションがあまりこないので、不満がないということは上手く使えているのかなと思っています。
管理者側の使用感はいかがですか。
管理者側の視点でいうと、導入段階の話でも挙げた点ですが、このポリシーはオンにするかオフにするかみたいなところがいっぱいあって、選べる項目が豊富なのは良かった点でもあるのですが、最初はそこが少し大変でした。
しかし、運用に関しては、アカウントとデバイスの管理だけですごくシンプルだったので、設定さえしてしまえば、それ以降はすごく楽に運用できています。
貴社の今後の働き方について教えてください。
IT業界に関わらず、やはり一つの大きな議題として、アフターコロナの働き方が、皆さんの働き方というテーマの中で注目されているのかなと思うのですが、在宅と出社の両方とも選択できるような形になっていっているのかなと思っています。そして、そこの垣根をなるべく無くして行くというところに社内の情報システム部として、貢献していけたらと思っています。
株式会社WFS / Wright Flyer Studios本部 / Art部 / Technical Art チーム
岩本 高志 氏(中央)小野 貴裕 氏(左)梅田 匠 氏(右)
続いて、株式会社WFSのWright Flyer Studios本部 Art部Technical Art チームの岩本 高志 氏、梅田 匠 氏、小野 貴裕 氏のインタビューです。
Interview Video
株式会社WFS / Wright Flyer Studios本部 / Art部 / Technical Art チーム
( 動画時間 11:32 )
YouTubeを再生するゲーム業界の採用実績が後押しに!さらなる快適なリモート環境を目指す
担当業務について教えてください。
岩本氏:3人ともTA、いわゆるテクニカルアーティストという役職で仕事をしています。仕事内容としては、「何でも屋」のような感じなのですが、プログラムを書いたり、アーティストの扱うツールを使ったり、アーティストの制作環境をより便利にしていく役どころですね。
コロナの件もあり、多様な働き方も求められている中で、現在の環境をより改善していきたいということで、私たちが先陣を切ってやらせていただいているというようなところです。
Splashtop導入のリクエストを出したきっかけを教えて下さい。
岩本氏:まず、「リモートワークができるソリューションが必要だよね」という話は既にあったので、インターネット上で探したら、一番初めに出てきました。また、プラチナゲームズ株式会社さんの導入事例の記事を拝見しまして、「ゲーム業界でも採用実績あるんだ!」というところで、ちょっと試してみたいという流れになり、体験版を申し込ませていただいたというのが最初だったはずです。
導入前の課題はVPNの速度制限課題は残りつつも、実践で活用へ
導入前の課題について教えてください。
岩本氏:特に我々が課題と感じていたのは、大概のアーティストの作業環境が、会社で使っていたPCを自宅に郵送して、自宅からVPN経由で社内のイントラに接続して作業するという流れを基本としていたことです。
それだとどうしてもVPNの速度制限などにかかってきてしまって……。ファイルのやり取りも重かったり、特にリモートワークの最初の頃はみんな慣れていなかったりということもあり、その辺りで課題感を感じていました。
現在の使用状況について教えてください。
岩本氏:現在は、私たちTAメインで「こういうところは使えるね。こういう時に困るね。」というところを先行して、いろいろとテストをしています。あとは、特殊な事情でリモートの接続環境が必要になる人たちを優先して配布したり、秘匿性の高い開発機材などを必要とする人たちが、Splashtopを使って自宅からSplashtop経由で開発機材にアクセスして作業したりというような用途ですね。大体、その三系統ぐらいが存在するかなと思います。
ペンタブレットは、デザイナーが使うようなツールで利用しているのですが、今の状況としてソフトを使用する際は、基本的にペンタブレットで作業するところはペンタブレットを実際に使ってやっています。もちろん、必ずしもペンタブレットでやらないといけないということではないので、状況に応じて、マウスで普通に操作するという感じで両方使う形でやってます。
実際、リモートスタイラスには、だいぶ課題感を感じているところではあります。他社製品との比較をするところでも通信の速度や、アーティストの一番繊細な感覚的な部分に一番大きく影響を与えるところなので、なかなか現時点でも課題感が大きいところではありますね。そこが解消されると、アーティストのフルリモート環境がかなり前進すると思っているところではありますね。
小野氏:僕は基本的にコーディング作業をしています。あとはMAYAだったり、photoshopだったり、そういったところのデータを見るという業務で使っています。僕の用途では、もう完全に問題なく社内のデータに高速でアクセスできるという面ですごく活用させてもらっていますね。
岩本氏:ゲームエンジン等も全部リモートでアクセスして使ってますね。まあ、我々に関しては、必要なすべての開発行動をSplashtop 上で完結させていますね。
導入後の現場の反応はいかがですか。
岩本氏:今時点だと本当に必要性の高い人しか触っていないというところもあるのですが、特に否定的な意見がないというか、逆に言うと、ちゃんと動いているということだと思うんですよね。目的を果たせているという、そういう感じです。
自身の体験で、リモートワークのメリットを痛感BCP対策や働き方の選択肢を今後の強みに。
リモートワークの導入で、どのようなメリットがありましたか。
梅田氏:リモートワークの環境を構築しようとなった時に、自宅に物を置かなければいけない場合があると思うのですが、あまり気軽にできないという環境もあります。さらに、それが複数台のPCになってくると、よりそのような状況になってくるのですが、そこに対する懸念が少なくなりますよね。
リモートでアクセスできるという方法があるというふうに確立されているので、「それなら、ちょっと一台増やして環境を整えようか。」となったとしても、そこに負い目がなくなるというか、そういう気軽さが生まれたと思います。
小野氏:今の話に関連するのですが、例えば、今日出社して対応しようとなった時に、自宅での作業内容をそのまま引き継いで、その内容をそのまま続きから作業できるので、これからはリモートだけじゃなく、出社での対応など、いろいろな出勤形態になると思うので、そういった時にも柔軟な対応ができるなと感じますね。
岩本氏:例えば、極端な話ですがリモート環境がなければ働けないけれど、我々としては失いたくない人材がいた場合につなぎとめることができるわけですから。そういう意味で、手数が増えるというのはすごく心強いと思いますね。
昨年末に、私自身がコロナにかかりまして、私の場合はそんなに大した症状ではなかったのですが、家には妻がおりますので、隔離のため1週間ホテル暮らしを余儀なくされました。その時、既にSplashtop の導入が始まっていたので、私もやろうと思えば環境を作れていたのですが、それをしていなかったがために1週間ほぼ何もできず……という感じになってしまいました。
隔離から帰ってきて、もう慌てて環境を作りましたね。そのような体験も踏まえて、今後はいろいろなことが起こり得る世の中というところで、汎用性を高めていくという点でも必要になってくると思っています。
Laptopが一台あれば、とりあえず大概の仕事ができてしまうので、新しい選択肢を得たというところはありますね。例えば、もう地球の反対にいてもお仕事をお願いできるような形にはなるわけです。
日本国内でしたらPCを郵送してということもできなくはないですけれど、それはもう外国とかになるとさすがに難しいと思うので、そういう意味でもできることが広がってきているというのはあるかなと思いますね。まあ、まずその通勤時間を取られないということも、シンプルに強いメリットだと思いますね。
梅田氏:あとは、働く環境によって集中しやすさなども色々あるのですが、その環境の整えやすさですね。自分に合わせた環境を整えようと考えた時に、それを会社でしようとなると会社故のルール等、やっぱりいろいろな都合があったりもします。例えば、モニターにライトをつけたいという話になった時、自宅の環境であれば、「とりあえずやってみよう!」で試すことができるので、そういう柔軟さですよね。
そういう環境を整備するという意味でも柔軟さがかなり出たなと思っています。リモートになったからこそ集中しやすくなったというのも、例えば、声のかけやすさみたいなことが、もちろんオフラインゆえの良さでもあるのですが、それは裏返すと声をかけられやすさでもあったりして、それが良し悪し色々ありますよね。リモートになったら、集中したい時は「今、集中したいタイムです。」というふうに切り分けやすくなったというのも明らかに感じますね。
アーティストの感覚的な部分を大切にするために今後のSplashtopに期待することは?
今後のSplashtopに期待することはありますか。
岩本氏:まずは、先ほどの話にも出たリモートスタイラスのところですね。あの辺が、もっとアーティストの感覚に近く、リモート先のPCがまるで目の前にあるみたいに使えるようになってくると、アーティストの方への導入はかなりやりやすくなるなと思っていますね。
あとはマルチモニターにした時に、やっぱりどうしても転送するデータのサイズが、大きくなったりするので、ちょっとノイジーになったりとか。通信速度次第というところもあるかと思うのですが、そういうところも緩和されると良いなと思いますね。あとは特にアーティスト環境というところで考えると色の再現度が大事になってくるポイントかなと思っています。
梅田氏:マルチモニターについて、横画面として普通に使う分には、その一つの画面に2枚分を表示するやり方がちゃんと整備されているのですが、私はモニターを横一枚、縦一枚という置き方をしているんです。
現在は横画面のみの対応ですが、縦画面にも対応したり、フレキシブルな組み方でも対応できたりという風になってくると、今以上に、家の環境がそのまんま丸ごとリモート先の環境であるというようになるし、ちぐはぐさのようなものが完全になくなってくると、リモートしているという感覚自体がどんどん無くなって、より良い環境になっていくと思いますね。そこら辺も期待しています。
この記事のPDFはこちら