導入事例インタビュー
決め手は、管理者もユーザーも満足の使用感
株式会社白組
3DCGからアニメーション、VFXやミニチュア制作まで幅広い技術を扱い、CM‧映画‧ゲーム映像の企画‧制作を⾏う映像制作会社。1974年の設⽴以降、「お客様に対して⼼の糧になるようなコンテンツ制作」を理念とし、これまでに『ALWAYS三丁⽬の⼣⽇』シリーズや『シン‧ゴジラ 劇場版』、『STAND BY ME ドラえもん』シリーズなど、多くのビッグタイトルに携わってきました。
同社では、従業員がより働きやすい環境を提供するため、以前より様々なツールの検証を⾏ってきましたが、2020年の新型コロナウイルス感染拡⼤による緊急事態宣⾔を受け、全従業員のリモートワークが急務となりました。
今回は、株式会社⽩組 システムアドミニストレータ ⼊⽥尭光⽒に、そのような環境下でスプラッシュトップを導⼊した経緯や、導⼊後の従業員の反応、今後の活⽤計画についてお伺いしました。
株式会社白組 システムアドミニストレータ 入田 尭光 氏
スプラッシュトップを導入したきっかけは?
CG制作には、ハイスペックなPCとモニター、演算⽤サーバーが必要なので、以前は出社が必須だと考えていました。これまでも今後の新しい働き⽅やオフィス利⽤の効率化を考え、様々なリモートワークに関するツールを検証してきましたが、必要となるスペックがどうしても⾼くなることや、緊急性もなかったことから、導⼊までは⾄っていませんでした。しかし、2020年の緊急事態宣⾔を受け、弊社も全社リモートワーク移⾏が喫緊の課題となり、新たにスプラッシュトップを検証しました。
実際に検証してみると、管理の⼿離れもよく、パフォーマンス的にも全く問題がありませんでした。またスタッフからの反応も上々だったため、「これはもうスプラッシュトップでいこう!」と決めました。
スプラッシュトップを選んだ決め手は?
リモートされるPCに対して、カスタマイズされたパッケージのインストーラーを適⽤できることが⼤きいですね。インストールを実⾏すれば必要な設定が全部⼊って、展開されて管理コンソール側にも通知が来る。そこが管理者としては、すごくありがたいです。その後のアカウント作成のプロセスも、ユーザーにメールが届いて、必要な情報だけ⼊⼒すればもう使えるようになるというところも管理者としては使用できるまでの説明が簡単でした。
社員の9割超がリモートワークを希望
スプラッシュトップの利用状況は?
導⼊当初は100ユーザー程度から開始したのですが、現在は300ユーザー程度を運⽤しています。⽩組全社で映像を制作するスタッフから事務のスタッフまで、基本的にはどのスタッフに対してもスプラッシュトップを提供し、リモートワークをしてもらっています。
全社的にリモートワークを取り⼊れてからおよそ1年経過しましたが、現在でも、⼤体7割はリモートワークを継続しています。リモートワークをしているスタッフの約3割はフルリモートで週1⽇も出社していません。その他の5割くらいは週2〜3⽇出社するかどうかというところですね。現場のチームマネージメントも⼯夫し、効率化できている結果だと思います。
運用・管理で大変なことは?
弊社は多くのフリーランスの⽅にご協⼒いただいており、多い時では100名程の⽅が出社をしていたのですが、現在はスプラッシュトップを使っていただいています。社内にリモートしてもらうPCを⽤意しアクセスしてもらい、⼀緒にプロジェクトを進めていくという流れです。特に管理上で苦労していることはないですね。ウェブコンソールで全て管理できるので、契約期間のタイミングでの管理もすぐに対応できています。
導入時の社員の反応は?
最初は、「本当にリモートで作業ができるの?絶対に⽣産性が落ちるよ。」という反応も⼀部ありました。ただ、実際に導⼊してみると、普通に制作作業ができるし出社が必要なくなったことによる通勤時のストレスがなくなり、以前よりも⽣産性があがったというスタッフもいます。
昨年と今年に社内アンケートを2度行ったのですが、昨年は⼤体8割〜9割程のスタッフがリモートワークを継続したいと回答しました。そして今年はほぼ全てのスタッフがリモートワークを継続したいと回答しており、意識の変化を感じています。
通勤に⽚道1時間半〜2時間かけて出社していたスタッフもいたのですが、往復で1⽇4時間を通勤に使うと考えると、かなり⼤きいですよね。それがないだけで、朝もゆっくりできるようになったとの声もあがっています。
遠隔地のアーティストの雇用へつなげたい
白組が考える「これからの働き方」について
映像制作は、制作を始めるとどうしても作業に没頭してしまい、昔は⻑時間労働や徹夜をする⼈もいましたが、それでは⻑期間の作業を続けることはできませんよね。そこを鑑みて、⽩組の働き⽅改⾰としてきちんと労務時間を管理したうえで、有給消化も徹底して⾏っています。今後の働き⽅改⾰の⼀環として、リモートワークが就業スタイルの1つとしてあれば、⼈材の流出も防げるだろうし、これまで雇⽤が難しかったアーティストとの連携もどんどん増やしていくことができるのではないかと考えています。
スプラッシュトップの今後の活用計画は?
緊急事態宣⾔によるリモートワークのために導⼊しましたが、これまでも⽩組の働き⽅改⾰に「より柔軟に、⽣活と仕事のバランスをとっていこう」という⽅針があります。そこで、今後もスプラッシュトップを使ったリモートワークを私たちの働き⽅の1つとして運⽤していこうと思います。
また、スプラッシュトップ導⼊後の⼤きな変化として、遠隔地のアーティストを雇⽤できるようになりました。フリーランスのアーティストは⽇本各地にいるのですが、これまでは出社前提での雇⽤だったので、遠隔地にいるアーティストには、プロジェクトに参加してもらうのが難しい状況でした。しかし実際にリモートワークをやってみて、思っていた以上にうまくプロジェクトを動かせることがわかったので、最近では九州や東北のアーティストにもリモートで東京の弊社の案件に参加してもらうということもできました。
リモート環境で1つの作品を制作することは難しい?
1つの作品を作るうえで作業の段階がいくつかありますが、最初のアイディアを練る段階や、仕様が固まるまでのコミュニケーションは、やはりリモートワークだけでは難しい部分があるという話をスタッフから聞きます。
しかし作業の⼯程が進み、スタッフの役割が明確になってきたタイミングであれば、リモートワークのほうが作業効率があがるというところもありますね。
クリエイティブ業界×リモート技術の今後に期待することは?
やはり映像業界なのでリモート作業中の映像の品質があがるように通信品質が向上することは期待します。より先の話ですが、⾼速な通信網を利⽤して、かつクラウドサービスと⾼度に融合したリモートサービスを使⽤することで、タブレット端末が1台あればどこからでも⾼品質なクリエイティブ作業ができ、かつクラウドサービスを使⽤することで、どこからでもチームと⼀体になって仕事ができるという世界が来ることを期待していますね。