他社にはなかったサクサク感と、CAD操作にも耐えられるスペック。迷うことなく、導入を決断できました。
株式会社別川製作所
今年、創立70周年を迎えた株式会社別川製作所は、創業より一貫して、完全オーダーメイドの総合受配電設備を製造しています。また、電力・空調などの省エネ監視や各種プラントの監視制御などに事業を拡張し、お客様の要望に応じたトータル・システム・ソリューションを提供してきました。
近年は、工場内のIoT化を進める「スマートファクトリープロジェクト」として、製造過程における各工程の進捗状況の可視化を目的とした各種システムの開発や、AIを活用した配線材料の不良品検査を行うシステム導入など、現場のDXにも積極的に取り組んでいます。
時代やニーズの変化に対応し、お客様のベストパートナーを目指し続ける同社がスプラッシュトップを導入した経緯と導入前後の課題について話を伺いました。
今回お話いただいたのは、調達部 次長 兼 購買グループマネージャーの中山 武利氏と、管理部 情報システムグループ グループマネージャー 疋田 祐一氏です。
調達部 次長 兼 購買グループマネージャー 中山 武利氏
管理部 情報システムグループ グループマネージャー 疋田 祐一氏
理想としていたリモートスタイルの実現へ
弊社製品の導入に至った経緯を教えてください。
疋田氏:リモートワークの導入自体は、コロナ感染拡大以前から検討していました。当社の正社員を中心に、働き方改革としてリモートワークや時間有休、時差出勤などの「より働きやすい職場」を求める声が挙がっており、その声を聞き入れて働き方改善プロジェクトが発足しました。その名も、“ワクワク”と“WORK(働く)”をかけた「WAKU WORK(ワクワーク)プロジェクト」(以下、同プロジェクト)です。女性社員から環境をより良くしていきたいという声が積極的に挙がったことが、最初のきっかけでした。
弊社には“別川未来塾”という研修プログラムがあり、会社の現状を変えたいという想いを持った社員が、毎年自主的に参加者を集めてディスカッションを行い、「こんな風に会社が変わると良いよね。」という話し合いから、経営層へ実際に提案するという取り組みがあります。
この取り組み自体は15年程続いているのですが、4〜5年程前に女性社員が複数名集まり同プロジェクトを立ち上げた流れで、リモートワークに最適なツールの検討を始めました。
スプラッシュトップ導入前に課題や懸念点はありましたか。
中山氏:情報システムグループの業務上、メンテナンスを外部から行う必要があったので、外部からアクセスする仕組み自体は、一部で導入していました。しかし、コロナ感染拡大に伴い、リモートワーク環境の構築が喫緊の課題となりました。最初は他社製品を導入したのですが、「端末が会社のPCではないと使えない」という課題がありました。その他にも、VPNで接続した場合には、自席のPCを触る手段はWindows標準のリモートデスクトップしかなく、速度が遅いことも課題として挙がりました。
他社ツールと比較し、弊社製品を採用した決め手を教えてください。
中山氏:コロナの影響で緊急の対応が必要だったので、社員へ貸与するPCの準備もスピード感を考えると難しい状況でした。そこで、自宅にある社員個人のPCでも使用可能で、速度も速く、CADも操作できるツールを求めた結果、スプラッシュトップを選びました。
また、私自身がプライベートで、スプラッシュトップの個人向けのサービス「Splashtop personal」を昔から愛用していたので、速度や使用感については、他社製品との比較も行っていました。今回は、短期間で導入ツールを選択する必要があったので、これまでの使用経験も後押ししてくれましたね。
疋田氏:現場からのリクエストとして、CADの操作に耐えられることが、一番のポイントでした。基本的に、営業はビジュアルを重視した操作はなく、現在使用しているノートPCのみで、自宅でも会社でも業務ができるスタイルにしています。VPNさえ接続できればスプラッシュトップを導入する必要はありません。一方、CADに関してはノートPCではスペック不足で、デスクトップPCを自宅に用意しても、作業サーバーが会社にあるので通信環境に問題が出てきます。デスクトップは会社に置いたまま、外から会社PCへアクセスし作業することが理想のスタイルだと思っていたので、それを実現できたのがスプラッシュトップでした。
また、通信速度がある程度落ちていても作業できることも、スプラッシュトップの良さだと思います。リモートワークに切り替えるタイミングで、ネット回線が家に無いという社員もいたのですが、その際にはモバイルwi-fiルーターを貸し出して業務を行ってもらいました。モバイルwi-fiルーターでも、安定してスプラッシュトップを使用することができたことも良かった点として挙げられます。
中山氏:デュアル画面に対応している点も導入ポイントとして高かったですね。作業効率を落とさず業務を進めることができています。
他社ツールと比較して迷いはありませんでしたか。
中山氏:ほとんど選択肢として他社製品は消えていたので、スプラッシュトップに即決できました。スプラッシュトップパーソナルを使用した経験が活かせたかなと思っています。
会社で“テレワーク・リモート接続”というワードが出た時にも、プライベートでの使用経験からスプラッシュトップなら実現できることは既にわかっていたので、導入の決断ができました。
リモートワークの導入自体で苦労した点はありましたか。
中山氏:コロナになってから、製品検討のスピード感が加速しましたが、割とスムーズに導入できました。社員それぞれのアカウント管理の点が特に不安だったのですが、慣れたら問題なく使用できています。
多くの社員が積極的にリモートワークを活用。働き方の多様化も、より積極的に。
現在のご利用状況、運用状況について教えてください。
疋田氏:作図を担当する社員や事務職の社員など、営業職以外でテレワークを実施できる方はすべて使用できる環境を準備してあります。営業職はノートPCを会社でも自宅でも使用しており、その他の社員は会社にデスクトップがあり、リモートで勤務する場合には会社貸与のノートPCや、自宅にある個人PCからスプラッシュトップを使用して業務を行なっています。
導入後の社員の反応や具体的な現場の声があれば教えてください。
疋田氏:多様な働き方が可能になり、以前より働きやすくなったという声が多く上がっています。「WAKU WORK(ワクワーク)プロジェクト」のメンバーも含め、積極的にリモートワークを利用しています。実際に子どもが通う学校でコロナによる急な学級閉鎖があった際にも、迎えに行って、午後からはそのまま自宅でリモートワークを行うこともできました。
中山氏:現場の使用感として今後改善されると嬉しい点としては、スプラッシュトップを使用すると自社で使用する際と比較して、解像度が落ちて少しぼやけて見えるので、自社使用時と遜色無い解像度になると良いです。CAD操作の点では、マウスポインタがたまに追いつかないという点がありますが、作図自体は問題なく使用できています。
管理者側の使用感について教えてください。
中山氏:管理者側の使用感としては、アカウント管理において「現状使用されているのか、このIDに対してどのPCが使用されているのか、このPCにアクセスできるユーザーは誰なのか」など、アカウントと端末の紐付けが見やすくなると管理者側はより使いやすくなるので助かります。
貴社ではタイにも拠点がありますが、スプラッシュトップは導入されていますか。
疋田氏:タイオフィスでは、スプラッシュトップの検討前から使用している他社ツールを継続して使用しています。しかし、本社での設計業務がマンパワー不足となった時に、タイの社員にも作図を手伝ってもらったという話を聞いたことがあります。その際には、本社からタイへデータを送り、タイの環境でCADを使用して作業を進めてもらいました。今後、タイでもスプラッシュトップを導入することがあれば、同じ環境・同じサーバーを利用して作業を円滑に進めることができそうですね。
もし、国内外問わずアクセスできることになれば、今後雇用形態も変わってきそうです。現在は地域採用などを行っていますが、どこの地域でも採用できるようになるかもしれませんね。
働き方や制度の変化に対応したサポート体制で社員がより働きやすい環境を目指す。
DX推進担当の立場から、現場へのリモートワーク導入によるメリットを教えてください。
中山氏:働き方改革ができたことや、リスク分散作業ができていることがメリットです。今後、営業職のリモートワークが主流になれば、将来的に事務所の縮小による経費削減などにも繋がるかもしれません。
また、リモートワークが進んでいる中で、ペーパーレスにしないと作業ができないという問題が発生しており、ペーパーレス化を加速させています。これまでは、営業がお客様からいただいた紙の資料を本社設計側へ郵送で送り、それを配布して作業に取り掛かるという流れでした。現在は、営業からの資料をデータ化して本社に送り、本社から下流に渡すようにしています。とりあえず、現状は営業がリモートワークで業務を完結できる環境に移行することが急務ですね。
リモートワークの導入に伴い、周辺環境の整備としてDXが進められることはメリットだと思います。
自社工場のスマート化を成功させ、他社にもソリューションを提供していきたい。“魅せる工場”として、ブランド化が目標。
これまで難しいと考えられていた工場や現場仕事のIoT化について、積極的に開発に取り組まれていますが、今後どのような展開をお考えでしょうか。
疋田氏:若手社員を中心に、様々な発想で自分達が働いている現場を良くしていく流れができ上がりつつあります。その流れから、自社で取り組んでいる内容自体が、一つのブランドであり商品となる“魅せる工場”をイメージし、プロジェクトを進めています。他社にもお手本とされる工場になるようにアプローチしていくことを目指しています。
自社工場をスマート化し、そのソリューションをお客様に提供していく、「工場のショールーム化」が最終的なゴールです。
今後のリモートワークの運用について教えてください。
疋田氏:会社としては、今後も継続していく予定でいます。世の中には出社前提の企業があったり、テレワーク前提という企業があったりと、今後リモートワークが定着するかはわからない状態ですよね。各社考え方は様々なので、コロナが終息したら元の働き方に戻るのではないかという声も聞こえています。弊社としても、テレワークになることで、マネージメントが難しくなるのではという点が気になっています。
とは言え、BCP対策として、今回のコロナ感染拡大のような緊急事態が起きた時や、災害時でも、事業を止めることなく継続し続けられる環境は整備しておく必要があると考えています。コロナ前ですが、過去実際に大雪で出社できず臨時休業の対応をとったことが弊社でもあるのですが、今後はスプラッシュトップを使用すれば、自宅からでも作業を進められるので安心ですね。
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