VPNが遅い!繋がらない!原因と対策をテレワーク導入前にチェック

VPNが遅い!繋がらない!
原因と対策をテレワーク導入前にチェック

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こんにちは。スプラッシュトップ編集部です。

新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワーク環境としてVPNを利用する企業が増えています。ただし一方で「VPN接続が遅い」「VPNが繋がらない」という課題を抱えている企業も多いようです。

VPNは仕組み上、通信速度が遅くなってしまうことがあり、その大きな要因の一つは、VPNサーバーに対する過負荷です。また、その他にもいくつかの要因が考えられます。

本記事ではVPNの通信速度が遅い理由や繋がらない原因、その対策方法について解説していきます。

・VPNの通信速度が遅い・繋がらない原因 VPNサーバーに負荷がかかり過ぎている VPNサーバーまでの接続距離が遠い 利用するインターネット回線・ISP側の速度制限 MTUを調整していない

・VPNの通信速度が遅いことによる弊害

・VPNの通信速度が遅い・繋がらない場合の対策方法 利用するデバイスを再起動する MTUを調整する ISPへ問い合わせる 快適なVPN環境の再構築(ただしコストの問題も…)

・VPNが遅い… 快適なリモートワークを実現するには?

VPNの通信速度が遅い・繋がらない原因

VPNが遅い・繋がらない原因は、大きく次に挙げる4つが考えられます。

VPNサーバーに負荷がかかり過ぎている

VPNはデータの送信者と受信者の間に仮想のトンネルを作り、そのトンネルを通して通信する技術です。なお、やりとりするデータはVPNサーバーによって複雑に暗号化されることで、他者からの盗聴などから守られています(VPNの仕組みについて詳しくはこちら)。この暗号化のレベルが高くなるほどサーバーへの負荷は大きくなり、通信速度が低下します。

一つひとつのリモート操作を毎回暗号化したデータの送受信でやり取りする仕組みで、暗号化処理が複雑になるほどVPNサーバーに対する負荷が高くなります。その結果、ネットワーク回線の帯域を圧迫し、利用者一人あたりが利用できる帯域が減って通信速度が遅くなります。

さらに同じVPNサーバーに接続するユーザーが多くなると、VPNサーバーへの接続の許容量をーバーし、通信速度が遅い・繋がらないという問題が起こりやすくなります。

VPNサーバーまでの接続距離が遠い

VPNに接続する端末とVPNサーバーまでの接続距離が遠い場合も、通信速度が遅くなる可能性があります。接続距離が遠いと、その分データを転送するサーバーなどの経由数も多くなり、結果として通信速度が遅くなるという要因も考えられます。

利用するインターネット回線・ISP側の速度制限

インターネットを用いたVPNは、既存の公衆回線を利用するため、回線が混雑していると通信速度が遅くなります。また通信速度は、公衆回線自体の速度に依存するので、当然低速な回線ではVPNの通信速度も遅くなります。

さらに、ISP(インターネットサービスプロバイダ)側で通信制限をかけているケースもあります。いくら使用しているVPNサーバーが高性能であっても、ISPの通信制限次第では、十分な速度が出ない場合があります。

インターネットVPNを利用していて利用者ごとにVPNの通信速度が大きく異なる場合は、インターネット回線やISPの通信制限を疑ってみるとよいでしょう。

MTUを調整していない

少し技術的な話になりますが、MTUの未調整がVPNの通信速度が遅い・繋がらない原因になっていることも考えられます。MTUとはMaximum Transmission Unitの略称で、1回で送れるデータの最大容量のことを表します。

MTUは論理的な設定値であり、VPNのMTUとPCやルーターなどのデバイス側のMTUがあっていない場合、データの分割が発生して通信速度が低下してしまう可能性があるのです。

MTUの未調整もVPN利用時のよくあるトラブルの一つで、回線が繋がらない原因となっていることもあります。しっかりと確認しておくようにしましょう。

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VPNの通信速度が遅いことによる弊害

VPNの通信速度が遅いことによる弊害

VPNに無事繋がったとしても、通信速度が遅いままでは業務に深刻な影響を及ぼしかねません。

例えば、ZoomなどのWeb会議システムが不安定になったり、業務で利用するファイルを開くのに時間がかかったりすれば、利用者のストレスとなるばかりでなく、業務効率も格段に落ちてしまいます。

また、緊急時に社外からVPNで接続しようとしても、通信速度の遅さが原因で対応ができなくなるケースも考えられます。問題を抱えるユーザーから問い合わせが相次ぎ、IT部門などの管理者側に多大な負担を強いることもあるでしょう。

場合によっては、テレワークの実施自体が困難になることもあり得ます。

VPNを導入する最大の目的は、遠隔地からでも社内と同じ環境で業務を行なえるようにすることです。VPNを導入するのであれば、通信速度には十分に注意を払いましょう。

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VPNの通信速度が遅い・繋がらない場合の対策方法

VPNが遅い・繋がらないといった場合、具体的にどのような対策を取ればよいのでしょうか。ここでは、具体的な対策方法について解説します。

利用するデバイスを再起動する

手軽に実施できる対策方法の一つが、使用しているデバイスの再起動です。VPNルーターやインターネット回線に接続するためのモデムは、常時起動の想定で作られています。そのため、長い間起動していると、処理能力が低下する可能性があるのです。

再起動する際は、誰も使用してない時間帯など、支障の出ないタイミングでルーターやモデムを再起動します。接続するPCなど端末側も同様に再起動しておくと、メモリ不足などの問題が解消できることがあります。

MTUを調整する

MTUはPCやルーターで設定が変更できるため、利用するVPNに合わせて調整しましょう。Windows PCはデフォルトのMTUが1,500であり、LANで使うイーサネットのMTUも1,500です。しかし、VPNのMTUがそれよりも小さい場合は、パケットが分割されてしまいます。

対策としては、VPNのMTUを調べてその値よりも小さい値となるようにPCやルーター側で設定を変更して調整します。使用中のデバイスのMTU値を確認したい場合、ブラウザで専用サイトにアクセスすれば可能です。またWindowsならばコマンドプロンプトやPowerShellで、Macならばシステム環境設定のネットワークからMTU値の変更が可能です。

ISPへ問い合わせる

ルーターやモデム、端末の再起動やMTUの調整でも効果が得られなかった場合は、ISP側で通信制限がかかっている可能性が考えられるため、一度ISPへ問い合わせてみるとよいでしょう。

特に自宅と自宅以外など違う環境で接続し、明らかに一方の通信速度が遅い場合は、ISPによる通信制限が原因の可能性があります。そのようなときは、ISPへ問い合わせることをおすすめします。

快適なVPN環境の再構築(ただしコストの問題も…)

最も効果的なのは、VPNを利用する回線をより質の高いものに変更したり、VPNサーバーの増築や接続許容量を拡大したりといったVPN環境の再構築です。しかし、VPN環境の再構築にはコストも手間もかかります。

VPNを利用する人数が多くなるほどしっかりとしたネットワーク設計が必要となり、管理者への負担も大きくなります。加えて、インターネットVPNの場合は利用者のインターネット回線にVPNの接続速度が依存するため、最適な手段を見つけ出すことが難しいという欠点があります。

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VPNが遅い… 快適なリモートワークを実現するには?

VPNは、さまざまな原因で通信速度が遅い・繋がらないといった問題が発生することがあります。このような問題が発生すると、ユーザーに強いストレスを与えることになるばかりか、ひっ迫した納期や業務が重なる時期には大きな不安要素になりえます。

そのため、VPNを導入する際は、利用者数から必要なネットワーク帯域、デバイスの性能を綿密に設計しなければなりません。ただし、利用者数が多くなるほどネットワーク設計や導入に対するコストのほか、IT管理者への負担は大きくなってしまいます。

リモートワークを実現するための手段は、VPN以外にも「VDI」「リモートデスクトップ方式」といった選択肢もあります。

リモートデスクトップサービスの“Splashtop”は、大人数でも社外からの同時アクセスを実現し、安定した通信速度かつ、セキュアな環境が構築できるソリューションです。

VPNとは異なりリモート画面を転送する画面転送方式のため、回線帯域を圧迫しづらく、1秒間30フレームの転送速度で大人数での利用でも高速なリモートアクセスを実現します。

Splashtopはメールアドレスとパスワードでログインし、リレーサーバーでオフィスのPCと外出先のPCがマッチングされることで、通信が開始されます。

VPNの課題である通信速度の低下や繋がらないといった問題に対応できるため、Splashtopをリモート接続環境の構築手段として、検討してみてはいかがでしょうか。

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