株式会社テコ
3DCG制作を中心に、ゲーム開発やXRライブ向けキャラクター制作などを手がける株式会社テコ。東京・大阪・福岡の3拠点で制作を行う同社では、基本は出社勤務を採用しながらも、子育てや通院、軽い体調不良など、社員一人ひとりの事情に応じて柔軟に働ける環境づくりを進めています。
そうした中で活用されているのが、社内の制作環境へ安全にアクセスできる Splashtop Enterprise です。高性能な制作環境やセキュリティ要件が求められる制作現場において、どのような課題があり、Splashtop Enterprise がどのように役立っているのか。同社の取締役である松田 健志氏に、導入の背景から現在の活用方法、今後の展望まで伺いました。
課題・背景
- 出社基本の体制で、突発的な在宅ニーズに対応しづらかった
- 高性能な制作環境を自宅に再現しにくかった
- 出向先から自社業務や育成対応がしづらかった
- 在宅希望のクリエイター増加に、働き方の柔軟性が求められていた
施策・効果
- Splashtop Enterpriseで社内PCへの安全なリモート接続環境を整備
- 出社が難しい日でも業務継続が可能に
- 制作環境とセキュリティを両立しながら柔軟な働き方を実現
- 人材定着や拠点間連携の強化にもつながった
目次
3拠点体制の制作現場で、出社を基本としながら柔軟性をどう持たせるか
株式会社テコ 取締役 松田 健志氏
──貴社の事業内容と、現在の制作体制について教えてください。
当社は3DCG制作を中心に事業を行っており、もともとは特撮やCMなど映像分野からスタートしましたが、現在はゲーム制作向けの開発案件が大半を占めています。最近ではXRライブ向けのキャラクター制作などにも携わっています。
拠点は東京・大阪・福岡の3か所にあり、東京には各職種が幅広く在籍し、大阪は背景制作、福岡はモーション制作を中心とした体制です。基本的にはどの拠点も出社が前提ですが、事情がある場合にはテレワークも認めており、その際にSplashtopを活用しています。
制作環境を持ち出せない現場で、現実的だった“社内PCへつないで使う”という選択
──Splashtop Enterpriseを導入したきっかけを教えてください。
きっかけは、取引先でSplashtopを使っている環境に触れたことです。実際に使った社員から、レスポンスが悪くないという声があり、導入を検討しました。
CG制作の現場では、特殊な機材やソフトウェアを使用することもあるため、必要な環境をどこにでも同じように用意するのが簡単ではありません。それなら、社内の制作環境につないで使えるほうが現実的だと考えました。加えて、ユーザーやアカウントを一元管理しやすい点も導入の後押しになりました。
──導入前には、どのような課題がありましたか。
以前は、出向している社員にノートPCを渡して、自社業務が必要な時だけ使ってもらう運用をしていました。ただ、普段はあまり使わないので、いざ必要な時にアップデートが始まったり、性能面でもCGやゲームエンジンの作業には少し厳しかったりと、十分に活用しきれませんでした。
また、案件によってはデータの持ち出し不可なこともあるため、自宅側に自由に環境を作れるわけでもありません。出向先でクライアントの作業はできても、自社の若手育成のためにデータを確認したり、空き時間に社内業務を進めたりするのが難しい場面もありました。
“休む”以外の選択肢をつくり、働きやすさと業務継続を両立
──現在は、どのような場面で活用されていますか。
一番多いのは、やはり出社が難しい日に使うケースです。たとえば軽い体調不良で通勤だけ避けたい時や、午前中に通院して午後から働きたい時、子育てや荷物の受け取りなど家庭の事情がある時に活用しています。
これまでは完全に休まなければ対応できなかった状況も、リモートで仕事ができれば、その日を丸一日止めずに済みます。社員にとっても会社にとっても、その選択肢があることは大きいです。Splashtopによるリモートワークは、福利厚生のひとつとしても意味があると感じています。
──働き方の面では、どのような変化がありましたか。
Splashtopの導入によって大きく変わったのは、現代の働き方や就業ニーズに合わせやすくなったことです。軽い体調不良や通院、子育てなど、それぞれの事情に応じて働き方を選べるようになり、出社を基本としながらも柔軟性を持たせやすくなりました。
当社は基本的に出社を大切にしていますが、だからこそ、どうしても出社できない日に柔軟に働ける仕組みが必要でした。Splashtopを導入したことで、「休む」か「無理して来る」かの二択ではなくなったことが大きいです。
若い社員であれば日常のちょっとした都合にも対応しやすくなりましたし、子育てや通院中の社員にとっても働きやすさが上がったと思います。当社は比較的若い社員が多いため、これから社員が年齢を重ねていく中で、介護やライフステージの変化への対応にもつながっていくだろうと考えています。
海外からの接続も実現。日常利用が非常時の対応力にもつながる
──印象的だった活用事例はありますか。
日本で長年働いてくれた外国人の社員が母国に帰ることとなり、現在では韓国から日本の制作環境へ接続して仕事を続けています。最初は本当にできるのか半信半疑でしたが、やってみなければわからない。事前にテストしたところ問題なく使えたので、そのまま業務に参加してもらうことができました。
また、育児中の男性デザイナーから、夜にまとまった睡眠を取りにくく、日中の作業効率を上げるためにリモートワークを希望されたこともありました。その際も、「じゃあ、やってみよう」と柔軟に受け止め、実際にリモートワークへ移行することができました。
Splashtopを導入済みだったからこそ、こうしたチャレンジができたと思います。実際に試せる環境が整っていたことが、このチャレンジの背中を大きく押してくれたと思います。
完全リモートではなく、必要なときに使える環境として今後も活用
──現場の皆さまの反応はいかがですか。
最近は、在宅勤務を前提に働きたいというクリエイターも一定数います。しかし、できる人ほど出社して周囲に影響を与えてほしいという思いや、遠隔だとコミュニケーションが取りづらく、チームにノウハウが浸透しにくい難しさもあります。そこで当社では、Splashtopで柔軟な勤務を支えつつ、Slack や Google Meet を活用して日常のコミュニケーションを補い、拠点を超えた連携を取りやすくしてきました。
一方で、Splashtopのレスポンスについてはもっと良くなってほしいという声もあります。特にモーション系の作業や、実機確認が必要な案件では、どうしてもリモートでは難しい部分があります。
しかし、液晶タブレットや色の見え方、通信環境など、Splashtopそのものの問題だけではないため、その先の制作環境全体をどう整えるかも今後の課題だと感じています。ただ、それでも「必要な時に使える」という状態にしておく価値は大きいです。
──今後はどのように活用していきたいですか。
今後も、社内に置いたPCへ接続する今の形を継続していきたいと考えています。受託案件ではセキュリティ面の説明が重要になりますが、Splashtopであればリモート先からファイルを持ち出せない設定にできるため、セキュリティの担保を明確に伝えやすく、取引先にも安心してもらいやすいです。
また、普段から使っているからこそ、いざという時に「こういう働き方ができる」と社員にも提案しやすくなります。大きく働き方を変えるというより、出社を基本にしながら、必要な時に柔軟に使える環境として今後も活用していきたいです。
──最後に、Splashtop Enterpriseの導入を通じて感じていることを教えてください。
当社の仕事は、個人の能力に支えられる部分が大きい一方で、チームで進める仕事でもあります。だからこそ、人材が継続して働ける環境を整えることはとても重要です。
フルリモートが最適とは限りませんが、必要な時に選べる働き方を用意しておくことには大きな意味があります。出社を基本にしながらも、無理なく続けられる選択肢を持てる。その状態を維持していくための基盤として、今後も活用していきたいと思っています。