浜松市役所

本記事は、以前ご紹介した浜松市役所のmoconavi RDS by Splashtop LGWANリモートデスクトップサービス*(以下moconavi RDSと表記)導入事例の続報です。これまでアプリで運用しながらリモートワークを推進してきた同市ですが、本製品が新たにブラウザログインに対応したことにより端末搭載のGoogle Chrome経由での利用及び運用に切り替え、さらなる業務効率化と利便性の向上を実現しました。本記事では、ブラウザでの運用を行うようになった背景や具体的な改善点、そして職員の反応について詳しくお伝えします。

浜松市 デジタル・スマートシティ推進部 情報システム課 副主幹 星野 仁氏、デジタル・スマートシティ推進課デジタル・ガバメント推進グループ副主幹 松島 未来氏、デジタル・スマートシティ推進課 竹本 正史氏にお話を伺いました。

*moconavi RDS by Splashtop LGWAN リモートデスクトップサービスはスプラッシュトップ株式会社のOEMサービスです。

課題・背景

  • セキュリティの観点から、端末がログインの都度リフレッシュされる設定にしていたため、端末起動の都度moconavi RDSのアプリをダウンロードする必要があった
  • ゲストセッションモードとユーザーモードで運用する端末が混在し、管理作業が煩雑になっていた
  • 庁舎内で幅広いリモート活用の可能性を検討していた

施策・効果

  • moconavi RDSがブラウザからのログインに対応したことにより、アプリのインストールが不要になり、利用時の手間が大幅に削減された
  • ゲストセッションモードとユーザーモードで分けて管理していたポリシーが統一され、端末管理がシンプルに。利用者数も増加し、リモートワークの利便性が向上した
  • 庁舎内でもリモート接続が可能になり、業務の効率化が進展した

浜松市 デジタル・スマートシティ推進部 情報システム課
副主幹
星野 仁 氏

ブラウザログイン対応でどのような変化があったのか?

星野氏:浜松市役所内で利用しているChromebookは、セキュリティの観点から、端末スリープ後は、ローカルのデータや設定がリセットされるゲストセッションモードで運用しておりましたが、ゲストセッションモードではアプリのインストールができないため、moconavi RDSを利用する端末はユーザーモードで運用する必要がありました。また、ユーザーモードでは起動するたびに、都度moconavi RDSのアプリを自動ダウンロードし、インストールされてから利用するという流れになるため、利用開始まで時間がかかるという課題もありました。

しかし、ブラウザログインに対応したことにより、端末にアプリをインストールする待機時間が解消され、さらに、ゲストセッションモードとユーザーモードのポリシーが統一されたことで、端末の管理作業が格段にシンプルになりました。これまではモードの違いにより設定を分ける必要があり、管理が煩雑でしたが、それが一本化できたのは大きなメリットです。

竹本氏:導入時は40アカウントだったmoconavi RDSのアカウント数を、今年から100アカウントに増やしたのですが、そのタイミングでブラウザログインの運用に移行しているという状況です。デフォルトのブラウザ(Google Chrome)経由でmoconavi RDSを利用できるようになったことで、ユーザー視点でも利便性が大きく向上しました。

当初はデジタル・スマートシティ推進課職員が中心でしたが、現在は一部の内部事務や窓口業務の職員にも利用を拡張しています。1台の端末からインターネット側と庁内ネットワーク側の両方を閲覧できるため、外出時に限らず庁舎内でもリモートアクセスが活用され、業務の柔軟性が高まりました。

松島氏:もとは外部からのアクセスがメインでしたが、庁舎内でのリモート接続によって、会議室や別の部署へ移動しながらの作業が可能になり、効率化が進んでいます。

星野氏:内部事務に使用している端末は、ネットワークが無線化されていないということもあり、例えば会議室だったり別の部署に行ったりして、画面を見せながら打ち合わせしたいというような時も端末を持ち歩くことができませんでした。その一方で、Chromebookはインターネット系の端末なので、どこで利用しても通信できる。Chromebookとブラウザ経由でのmoconavi RDSを組み合わせることで、庁内のどこでも内部システム操作やファイルの参照ができるようになったと思います。

松島氏:使用する部署の幅が広がったことで、今まで1日に1時間接続すれば充分、というユーザーだけでなく、もっと頻度や接続時間の長いユーザーも出てきました。しかし、長時間の利用でも、moconavi RDSは十分に業務に耐えることができています。庁内でmoconavi RDSを利用している方のアンケートを収集していますが、使用感に対して特にネガティブな反応もないようです。

セキュリティ対策と将来的な展望

星野氏 :ブラウザログイン対応前後で、セキュリティ対策は従来と基本的には変わりません。特に現在の運用では、アクセス可能なIPを制限することで、BYOD(私用端末)からのアクセスを防ぐ対策を行っています。今後は、災害時などの緊急時におけるリモートアクセスの活用も視野に入れていますが、システムというよりは、むしろ緊急時に職員が自宅から業務を遂行できるようにするためのルール整備を進めていくことも大切だと考えています。

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